January 08, 2004

大橋 力 ほか 「音楽と音の非定常性」

シリーズ「ゆらぎの科学」第一巻, 森北出版, 1991

様々な自然現象・社会現象に見られる「ゆらぎ」,特に「1/fゆらぎ」についてのシリーズ.講演集なので読みやすい.

西洋芸術音楽の

  • 楽音 -楽譜上の音符として表すことの出来る一定の音高,強さ,長さ,音色を持つ音- と噪音 -楽音以外のあらゆる音-の区別,音と音楽の区別が顕著.
  • 作曲 (記号の操作)が演奏にたいして優位性をもつ.音は単なる部品であり,それ自体では音楽にはなりえない.
  • 音楽を離散的な単位信号(音符)の集合として捉える.
といった特徴と,日本および他の東欧,インドなどの古典音楽に見られる
  • 音そのものが音楽になりうる (尺八などでは,10秒以上一つの音が続く場合がよくある)
  • 譜面は非常にアバウト
といった特徴を対比させている.また音楽が他の音声をつかったコミュニケーション手段(合図,言葉)と異なる点が,「信号の連続性」とそれにともなう「快感の創出」にあるとし,離散的な西洋芸術音楽の限界を指摘する.
さらに,完全に定常的・離散的な合成音を用いた演奏と,ゆらぎ(スペクトルの時間変化)を含んだ音を用いた演奏をそれぞれ聴いたときのアルファ波の変化を調べることで,この節を確かめている.

一般に,世界の芸術音楽文化の中心とされているような,ドイツなどの西欧諸国のことを,「音楽的には単純で幼稚」「音のぜいたくな楽しみ方と言う面ではまだまだ発展途上」と言い切っているところがおもしろい.

シリーズ総目次
[Amazon] Posted by naotokui at January 8, 2004 04:40 PM | トラックバック

コメント

I have been working on the tuning system. And I made several pages about it.
Music Temperament issue can be overcome.
http://www.geocities.jp/imyfujita/wtcuncertain.html
Music of Sacred Temperament for the Well Tempered Clavier
http://www.geocities.jp/imyfujita/index.html
There are other pages for the Goldberg Variations; Music of Intellect
http://www.geocities.jp/imyfujita/goldberg/indexe.html

If you fell my pages interesting, I am very happy.

Best Regards
Iori Fujita

Posted by: Iori Fujita at November 13, 2004 06:46 PM
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